軒天の劣化症状別メンテナンスについて

家のメンテナンスを行うことはとても大事なことです。家のメンテナンスをしておかなければ、雨漏りや耐久性が失われていき、家の美しさも無くなっていきます。

家のメンテナンスにもいろいろありますが、その中でも軒天があります。軒天は軒天井や軒裏と呼ばれることもあり、雨から外壁を守る役割を果たしていきます。住宅を守る傘のような役割を果たしていますが、屋根と外壁の結合部にあたるため、外壁で劣化しやすい箇所の1つでもあります。軒下は劣化してくるとそこから雨漏りが発生してくることもあり、最悪外壁にまで悪影響を及ぼして高額な修理費が必要になってしまいます。今回は軒天の修理について紹介していきます。

 

軒天補修
■軒天の材質
一般的な住宅の軒天で使用されている素材には不燃材系と木材系の2種類が外壁材の軒天で使用されています。

不燃系の外壁材は代表的なものとして、ケイ酸カルシウムという外壁材やエクセルボード、フレキシブルボードなどがあります。
ケイ酸カルシウムのような不燃系の軒天材は雨から外壁を守る以外に火事の際に焼けることを防ぐ防止的役割も担っています。
火事に強いという軒天材のため、今多くの家で使用されています。

木材系で代表的なものには合板ベニア板があります。合板とは木材のチップを固めたものであり、家具などにも使用されています。不燃系と比べて材料自体が安価になっているため、工事費用を抑えることができるのでベニア板は経済的だと言えます。それでも、何層も木を接着剤でつないでいるので、経年劣化で接着の力が弱まってしまえば、ベニアが剥がれやすくなってしまいます。

■軒天劣化症状
軒天の劣化症状としては、1つ目に色あせがあります。
軒天は経年劣化によって外壁同様に色あせしていきます。
色あせしてくると外観が悪くなってしまい、見た目に影響してきます。色あせしたからといって補修をする必要はありませんが、塗装しておくことで外観を綺麗にし直すことができます。

2つ目に、シミがあります。軒天の破風板と軒天の境目の色が異なっていたり、一部だけ茶色くなっていたりする場合は、雨漏りしていて軒天にシミが発生していることがあります。原因としては、屋根に溜まった雨水が排水されないために屋根最下部の軒天部まで流れてきてしまうことです。シミを放置しておくと雨漏りでどんどん劣化していき、外壁にまで影響が及んでしまうので、早急に業者に頼んで原因を突き止めて修理してもらう必要があります。

3つ目は剥がれがあります。
軒天に木材系を使用している場合は、ベニア板の層がいくつか剥がれてしまい、ささくれのように欠けてしまうことがあります。
剥がれの上から塗装しても塗料がうまく乗らずに、すぐに塗料が剥がれてしまうことため、下地板を必要とするケースもあります。


4つ目はカビなどです。
これは雨水などがうまく排水できないことが影響して、カビが発生してしまうことがあります。カビなどが発生した時にそのまま放置しておくと、その内軒天のシミに発生する雨漏りに発展してしまうことがあります。カビなどが発生した場合は、雨漏りの予備軍とも言えます。

5つ目は穴が空いてしまうことです。
外壁の一部が劣化したり、雨などの腐食によって軒天の一部に穴が空いてしまうことがあります。穴が空いてしまうと、雨水が穴から侵食してしまうこともあり、鳥などの動物も侵入して糞などが入ってしまうこともあるので、衛生面にも影響が出てしまいます。

■メンテナンス方法について
軒天に劣化が見られた場合、その劣化に合わせて修理していく必要があります。軒天で色あせしてきている場合は、塗装をする事で劣化を直すことができます。シミやカビなどが発生しているならば、張り替えをして劣化の原因となっているものを取り替えることが大事になります。穴が空いている場合は重ね貼りを行うこともできますし、剥がれは程度によって重ね貼りや張り替えをすることができます。いずれにしても、業者とよく相談してどのメンテナンス方法が良いのか確認を取ることも大事になってきます。

■軒天修理費用
軒天の修理方法も張り替えと重ね貼りでは費用に違いが出てきます。重ね貼りをする場合は、一般的な規模の住宅で10万円から12万円ほどの費用がかかります。再塗装をする場合は12万円から17万円の費用がかかります。張り替えの場合は18万円から23万円ほどの費用がかかることがあります。どのメンテナンス方法も費用はかかり、安い料金ではありません。そのため、自分の劣化症状によって良い方法でメンテナンスを受ける必要があります。

■まとめ
軒天は雨漏りなどで家の劣化の原因となる箇所でもあるので、しっかりメンテナンスをする必要があります。メンテナンスの方法は劣化症状別によって変わってくるので、しっかりと費用を計算して最善のメンテナンスを受けることができるように業者と相談するのが良いと思います。