軒天とは

軒天

軒天は、軒先という言葉の意味を含んでいます。窓の上方に屋根から張り出した、屋根部分のことを軒天を称します。軒先に干物を吊るすという光景は田舎地域にありますが、その軒先の吊紐をかけるところが、軒天の部分になります。かつては、軒天から吊るしをかけて、そこに物干し竿をひっかけておいたところです。屋根からの延長上ですが、意味は雨が直接壁面にあたることのないように、建材をまもる効果があります。そして、その軒天を下から見ると、軒の天井のような形をしているので、その雨を凌ぐ出っ張った屋根を、軒天という総称で呼んでいます。地面から軒天を確認すると、漆喰状のしろい地肌も見えますので、地域によってそのカラーに沿って、アレンジされています。
軒には、雨樋などが併設されていて、屋根部分からの壁面への雨水の垂れ込みを防止しています。そして、軒天の角の場所から、縦方向への雨樋が敷かれています。軒天のあるということは、伝統的な日本の家屋様式であり、雨の多い日本地域で発展した建築様式であると言えるでしょう。

・庇とのちがい
庇という名称がありますが、このひさしも同じ部材を指しています。庇だけの単品であれば、雨を凌ぐ位置的な故障と、日よけの意味が加わりますので、より日光の強いところからの避け所の意味が加わります。庇の場合は、玄関に特設したりして、その屋根の出っ張りの形状とは別に、取ってつけたようなイメージがあります。つまり、天井屋根の延長ではない、特設の軒天・ひさしという意味です。この庇に関しても、列島における建築様式の違いからさまざまな意味があり、軒天ということばにも別の読み方があるのです。
一般日本家屋の建屋では、瓦屋根からの派生で、張り出している部分を軒天と言えますが、様式建築で、庇を誂えたものは、ひさしと呼べるかもしれません。瓦屋根の延長を、下から見ると軒天で、遠方の方から横向きに見るとひさしがかかっているという表現も可能です。
日を避ける意味から派生したと思われる、庇ですが、軒天ということばでは、より風雨を避けるというイメージが強いでしょう。そして、雪の降る地域では、この軒天のおかげで、窓が開くということもあり、南の方とは違う軒天の丈夫さが必要になってきます。

・軒天の役割
軒天の役割として、雨風を凌ぐためのものであり、壁面に雨水が流れないようにしている仕組みがあります。雨を壁面に流さないという理由は、塗料はがれや壁面漏水を防ぐ意味があります。また、天井・屋根から張り出した軒天には、風をしのぐ意味もあり、強風が窓ガラスや壁面に当たらないようにする、風洞の目的もあります。ですので、強風が窓ガラスや壁を破壊しないようにと言う意味があるのです。ちょうど、屋根にぶちあたる風は、くるっと回って、壁面やガラス窓に当たらない仕組みになっています。ですから、少しの雨でも、窓ガラスにはその風に乗って、雨が当たらない仕組みがあるのです。もし軒天がなかったら、台風の強風で壁面は強度のダメージを受けてしまいます。風雨を凌ぐという軒天の働きには、ただ、壁面下部の雨宿りだけの意味ではありません。
そして、軒天を壁面の内門にもってくると、テラス上のものでも、強風に煽られるということが少なくなり、ちょうど風止まりの減少が発生します。ですから、バルコニー・テラスに置いては、軒天の在り方で、強風をさえぎるという住居環境が成立するのです。
もし、軒天がなければ、バルコニーに干した洗濯物は、外界へすっ飛んでいってしまうことでしょう。

・軒天の意味
軒天という言葉は、軒先の言葉の通りに、軒先から見た天井部分という言葉が最適です。もちろん軒天は下から見た名称で、上から見れば、それは屋根として確認されます。屋根として確認されずに窓ガラスに取り付けたものであれば、ひさしとも呼べるかもしれません。そして一般的に屋根の張り出しは総称で軒と呼ばれます。
軒天の構造は、主に太陽が天頂に来た場合に、強い光線となって、窓ガラスから室内に太陽光が降り注ぐのを防止する目的もあります。これによって室内温度が上がりすぎるのを防ぐのです。また、強風の冷気によって窓ガラスが急激に冷えるのを防いでくれます。風が、停留してちょうど窓ガラスに流れる風を遮る構造になっています。ですから軒があるおかげである程度の室内温度の安定が図られる図式になるのです。
先人たちからの日本家屋の伝統様式には、特別な呼称がついていて、その意味としても、日本建築の問題点をうまく解決した理由がそこにあります。
つまり、夏に台風が来て、冬に積雪があり、雨が多く湿気の多い地域のある日本では、この伝統的な日本家屋のスタイルがずっと続いているのです。建材こそ新素材になり、竣工の早い建て方には技術革新がありますが、建築用語としての意味合いは、その必要性からその名前が付いています。その一つが軒天という訳です。

東京・江戸川区で軒天について詳しい情報は屋根リフォーム専門会社のHPに詳しく書かれています。参考にしてみてください。