軒天の劣化症状

軒天の剥がれ軒天にこんな症状が出たら要注意

軒天とは家のどの部分でどんな役割がある?

家の軒天というのは住宅の外壁部分から外側に伸びた屋根の裏側部分にあたる天井のことです。家の構造から考えると雨どいや破風板などと同じように付帯部分に分類されており、塗装の際には外壁や屋根などとは別に分けて考えられる部分でもあります。外壁の外側に突き出すようにはみ出した部分が軒で、その裏側は軒の天井部分と言う事で軒天という名称で呼ばれるようになったと言われています。

 

軒天に使われることの多い材質

軒天部分は軒裏、軒先、上裏など様々な名称で呼ばれることもあり、家の外観の美しさを保ち、家の見栄えを良くする効果が期待できる部分です。もしも万一火事になった時に、窓から火の手が上がれば屋根裏まで一気に火が燃え広がり屋根を短時間で燃やして焼け落ちてしまう事になります。軒天は設置することで火事の際の燃え広がりを最小限にとどめる役割も期待される部分です。その為軒天には強い耐火性を持つケイカル板がよく材料として使用されます。けれども、古くからある家屋の軒天には化粧板などの合板が使用されているケースも少なくありません。一昔前は軒天に使う材料に耐久性がそれほど求められておらず、工事コストを抑えるために使用した例が多かったと言われますが、合板を使用した軒天の場合、耐久性の低い合板などを使用すると経年劣化ではがれてしまい、見た目にもかなり悪い印象になってしまうのがデメリットです。

 

軒天の劣化症状いろいろ

軒天部分は汚れや色あせなどの劣化がとても目立つ場所です。家の中とは異なり、雨風などの外的な刺激の影響を受けやすい家の外側部分にあたるため、劣化すればはがれるなどの不具合が生じたり、軒天の表面が毛羽立ってしまうケースもあります。外壁とは違いますが軒天部分が劣化することで家の外観がとても損なわれ、見た目の印象を悪くしてしまう事に繋がります。軒天部分のはがれなどは貼り変える以外に修理する方法はありませんが、塗装で修復可能な劣化にもいろいろな症状があります。まず軒天部分も外壁同様に塗装表面が劣化することでチョーキング症状が起こります。軒天部分に触れると手にチョークの粉のようなものが付くのが特徴で、保護機能が低下した状態です。軒天の塗装がはがれている状態もなるべく早く塗り替えを行う必要があります。軒天のはがれた状態は雨水を吸い込みやすく、家の躯体部分や屋根を腐食させる可能性があります。耐久性の低いプリント合板を使用している場合には、シートやプリント部分がはがれる症状が起こります。外壁と同じように軒天にカビやコケ、藻などが発生することもあります。軒天の塗膜部分の防水性が劣化によって低下することで、水を吸い込みやすくなって起こるのがその最大の原因です。特に日が当たりにくい北側部分は湿気もこもりやすい条件が整っているので、カビやコケなどが発生しやすくなります。

 

劣化を放置することはとても危険

塗装のし直しで修繕ができる分にはまだいいのですが、もしも軒天に雨水のシミが出来ているのを発見したら、屋根などから雨水が侵入していることが考えられます。雨漏りというと、天井からぽたぽたと水滴がしたたり落ちている状態を想像しがちですが、そこまで表面的に症状が現れる前に家屋の内部に少しずつ雨水が侵入している可能性が高いです。そのために軒天にしみとなって現れるもので、そのシミがどうしてできているのか原因を突き止めておかなければ、効果的な修理を施すことは難しくなります。また、軒天自体がはがれたり欠落している場合には、雨水の侵入によって腐食がさらに深刻な状態になっている可能性が疑われます。屋根の奥の部分にまで傷みが広がっている可能性があり、ひどくなると手で触れただけで軒天が崩れてしまうほど症状が進行して、そこに住むのに危険な家屋になっていることも考えられます。そのままの状態を放置すれば軒天の役割を果たせないばかりか家屋自体の強度も低下して修理に莫大な費用が掛かる事もあります。

 

実際の軒天の修理方法

軒天の修理には、まずは破損した部分を張り替え、既存の塗膜の劣化が起きている部分を取り除きます。下地処理が済んだら軒天を固定している釘などの鉄製の部品部分にさび止めを塗布し、ローラーやはけなどを使って軒天全体にまんべんなく下塗りを施します。その後ハケやローラーなどの道具を使用して中塗りを行います。さらにその後に上塗りをするのですが、その前に乾燥時間をきちんととって乾燥させてから上塗りを行います。基本的には中塗りをしてから上塗りを2回行います。

家の修理はなかなかお金がかかるものです。その為外壁よりも目立ちにくい軒天は塗装修理のコストもできるだけ低く抑えたいという希望も少なくありません。でも価格だけで比較すると、いくら工事費が安くても例えば上塗りを1度しかしなかったり、下地の処理がずさんだったりするケースもあります。依頼する際には豊富な作業実績を持つ信頼できる業者を選ぶことが何よりも大切になります。